PFDとECS
PFD:Programming Facility for Display users,富士通OSにおける対話式プログラム開発機能
ECS:Extended Console Support※1, MSPにおける対話式コンソールサービス機能
※1、ECSの正式名称は記憶で書いてます。マニュアルを見ることができないので、確認が取れませんでした。念のためお断りしておきます。
PFDとECSはTSS上で使用する、富士通のソフトウェア製品です。PFDは、データセットの編集などプログラム開発機能を含む、パネルを使用したプログラム(ダイアログ)の開発環境を提供します。ECSは、TSS上でのコンソール操作を提供します。
PFDの(プログラム開発機能としての)主な機能
PFDも本来はz/OSのISPFと同じように、パネルを使用したアプリケーション(ダイアログ)を作るための基盤を提供するソフトウェア製品です。しかし画面でのやり取りを行うアプリケーションの多くは、AIMを利用して開発されています。そのため一般的にはPFDも、データセットの作成や改名、メンバーの編集、ジョブの実行結果の表示と言った、プログラム開発ツールとしての利用が多いです。
- BROWSE(Option1)
- EDIT(Option2)
- LIBRARYユティリティ(Option3.1)
- DATASETユティリティ(Option3.2)
- MOVE/COPYユティリティ(Option3.3)
- CATALOGユティリティ(Option3.4)
- LIST VTOCユティリティ(Option3.7)
- OUTLISTユティリティ(Option3.8)
データセットやメンバーの内容を表示します。
データセットやメンバーの内容を編集します。
区分データセット・メンバーの表示、編集、改名、削除、印刷、データセットの圧縮など、区分データセットに対するライブラリー・サービスを提供します。
データセットの作成、改名、削除、カタログ、アンカタログなど、データセットに対するサービスを提供します。
データセットのコピーや移動を行うことができます。
カタログされているデータセット一覧の表示、印刷などを行うことができます。
ボリューム上のデータセットの一覧を見ることができます。
スプール内のSYSOUTの表示、印刷、削除などを行うことができます。
その他にも端末属性やファンクションキーの定義、各種コンパイラーの呼び出しなどが実装されています。
ECSの主な機能
コンソール装置での操作をTSS端末上で実現できます。コンソール・メッセージの表示や、コマンドの入力など、専用のコンソール装置がなくても(マシン室に行かなくても)MSPを操作することができます。
富士通のECS紹介ページ
- 自由なスクロール
- メッセージの検索
- 表示メッセージの絞り込み
- メニューによるOSコマンドの発行
コンソールと違ってスクロールしてしまったメッセージも後ろへ戻って再表示ができます。オペレーションはコンソールのスクロール・スピードの影響を受けません。
コンソール・メッセージの文字列を検索できます。
時刻やジョブIDなどで、メッセージの表示範囲を絞り込むことができます。膨大なメッセージの中から、例えば特定ジョブの、特定時間に出力されたメッセージを表示させることができます。
コマンドがわからなくても、メニュー・ガイダンスに沿っていくことで、目的のコマンドが発行できます。
XSPにはRCF(Remote Console Facility)があり、VTAMに接続された端末をリモート・コンソールにすることができます(「LOGON CONS」)。ECSとは違い、コンソールそのものとなります。
ISPFとの互換性
PFDはz/OSのISPFに相当します。プログラム開発機能はPDFに相当します(PFDとPDF、ややこしいです)。プログラム開発機能の基本的な操作には互換があり、パネルデザインは、アクション・バーがない点を除けば、かなり類似しています。
歴史的には、MVS/SP?XAの頃(25年以上も前ですが...)までの初期のISPFと、一部を除き、機能や操作(パネルザイン含め)にほとんど違いはありませんでした。PFDの操作とパネルデザインは、基本的に変わっていませんが、ISPFはアクション・バーやポップアップ・ウィンドウのサポート、データセット・リスト・ユーティリティー、Super CやGrepのような検索機能などさまざまな機能が追加され、現在のISPFとPFDには大きな差があります。
それでも基本的な操作には互換がありますので、違和感なく両OSを操作できるでしょう。(もっともISPFに慣れた人には機能不足を感じるでしょうが...)
ダイアログ・プログラムのAPIやパネル定義体も、従来からサポートされている基本的ものには互換があります。PFDのダイアログをISPFに移行するのは比較的容易でしょうが、逆にISPFのダイアログをPFDに移行するには、使用している機能をPFDに合わせて削ることになります。
ECSはSDSFのLOGに相当しますが、全く別の製品なので、機能と操作は異なります。
スプール内のSYSOUT表示にはPFDもISPFもOUTLIST(3.8)ユーティリティーがありますが、現在z/OSではSDSFのSYSOUT表示機能の利用がほとんどです。