TSOコマンド

By 神居 - Posted: 2011/11/01 Last updated: 2011/11/01 - Leave a Comment

TSOコマンド

TSOでは、バッチ処理用に作成されたプログラムを呼び出して実行することも可能です。JCL内ストリームからの入力やSYSOUTへの出力は端末画面にリダイレクトできるので、プログラムを直さなくてもある程度のものはそのまま動かすこともできます。しかしTSOのプログラムでは、端末の入出力や割込みキーのハンドリング、コマンドラインによるパラメーターの受け渡しなど、それなりに端末操作を意識したものである必要があります。これらの機能が実装され端末オペレーターと会話するように処理を行うように作られたプログラムをコマンド・プロセッサーと呼びます。
コマンド・プロセッサーのうち、メーカーによってあらかじめ用意されているTSO専用のプログラムがTSOコマンドです。

MVSによって用意されている標準のTSOコマンドは約40種類ほどありますが、それらの多くがプログラム開発やデータセットの操作に関するものです。しかしプログラム開発やデータセットの操作に関しては、現在ではISPFによって行われることが当たり前になっており、コマンド・ラインでTSOコマンドを入力して行うことはほとんどありません。
そのため今ではTSOコマンドなどまったく使わなくても用を済ますことができるようにもなっており、センターによってはTSOにログオンするとコマンド・プロンプトを表示することなくISPFを起動し、ISPF終了後は自動的にログオフするような環境設定になっているところもあり、一般のユーザーにはコマンド・プロンプトを見せないような運用をしているところもあります。

しかしTSOコマンドを使う必要はまったくなくなったわけではなく、RACFやDFSMS(HSM)などOS回りのさまざまなコンポーネントなどを操作する機能もISPFダイアログだけでなくTSOコマンドとして提供されたりもしており、状況に応じて使い分けたりします。また、TSOコマンドはCLISTと組み合わせたり、バッチジョブとして実行させることで、同じ操作を繰り返したり作業の効率を上げることも可能になります。むしろ現在では、TSOコマンドは単独で使うよりは、CLISTなどと組み合わせて使用するのがほとんどでしょう。
例えば、ISPFを起動するためのCLISTでもTSOコマンドは使われています。ISPFもそうですが、TSOで動かすソフトウェアは、起動に必要なデータセットなどをCLIST内で割り当てることが多く、その際に使用されるのがALLOCATEおよびFREEコマンドです。これはJCLのDDステートメントに相当するもので、最低限この2つのコマンドだけは知っておくべきでしょう。

TSOやTSOコマンド概要はこちら(z/OSのしくみ:基礎編:TSOとISPF)のページに解説があります。

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