FTPによるJES2スプールアクセス
FTPクライアントからz/OSのFTPサーバーにログインした後、QUOTE SITE FILETYPE=JESコマンドを入力すれば、以降のアクセスをデータセットではなくスプール内のジョブに切り替えることができます。JESスプールのアクセスモードではディレクトリは意味を持ちません。データセットのアクセスに戻す場合はQUOTE SITE FILETYPE=SEQと入力します。
LS
LSコマンドでスプール内のジョブをリストアップできます。表示できるジョブ範囲はFTPサーバー定義のJESINTERFACELEVELによって異なります。
JESINTERFACELEVEL 1
FTPでアクセスできるのは、自ユーザーIDに任意の1文字を加えたジョブ名に限定されます。また取り出すことができるSYSOUTはホールド・クラスでなければなりません。TSOのOUTPUTコマンドと同様と考えればいいでしょう。
JESINTERFACELEVEL 2
すべてのジョブにアクセスできます。(ただしRACFのリソースクラスJESSPOOLアクセス権で認められた範囲に限定されます)また取り出すことができるSYSOUTもホールド・クラスである必要はありません。(SDSFによるアクセスに近いモードです)LSコマンドでのアクセス範囲はJESJOBNAME、JESSTATUSおよびJESOWNERの各設定値でフィルターされます。これらもQUOTE SITEコマンドで変更できます。
QUOTE SITE JESJOBNAME=ジョブ名マスク
表示されるジョブを名前でフィルターします。USER1*とすればUSER1で始まるジョブが、単に*とすればすべてのジョブが表示されます。
QUOTE SITE JESSTATUS=ジョブ状況
表示されるジョブを状況でフィルターします。
INPUT・・・・・・・・・・実行待ちジョブを表示します
ACTIVE・・・・・・・・実行中ジョブを表示します
OUTPUT・・・・・・出力待ちジョブを表示します
ALL・・・・・・・・・・・・・・すべてのジョブを表示します
QUOTE SITE JESOWNER=ジョブオーナーマスク
表示されるジョブをサブミットした人でフィルターします。オーナーにユーザーIDを指定すれば、そのユーザーからサブミットしたジョブが、単に*とすればすべてのジョブが表示されます。自分がサブミットしたジョブであれば名前に関係なく表示したいのであれば、JESJOBNAMEに*を、JESOWNERに自ユーザーIDを指定します。またLEVEL 2モードでの場合は、LSコマンドのパラメーターにジョブIDを指定すれば、そのジョブのSYSOUT一覧をリストアップできます。ここで表示されるSYSOUTのID番号を使って、特定のSYSOUTデータセットのみを取り出すこともできます。
JESINTERFACELEVELがどちらのモードで利用できるかは、FTPデーモン空間の起動プロシージャ(FTPD)のSYSFTPD DD文に定義されたパラメーターで指定されます。ジョブの実行結果をPCに転送し、使い慣れたエディター等を使って参照するには非常に便利な機能です。活用するにはJESINTERFACELEVELは2になっているといいでしょう。
GET JOBnnnnn PC側ファイル名
ジョブ内の転送可能なすべてのSYSOUTをPC側へ転送します。ジョブIDに.番号でSYSOUT番号を指定すればそのSYSOUTデータセットのみを転送します。「GET JOB30.5 D:\SYSOUT.txt」とすればジョブID JOB00030の先頭から5番目のSYSOUTデータセットをDドライブのSYSOUT.txtファイルとして転送します。なおGETでSYSOUTを転送してもスプール上から削除されることはありません。
DELETE JOBnnnnn
指定したジョブをスプールから削除します。実行中であればキャンセルされ削除されます。
PUT PC側ファイル名
指定したPCファイルをJCLとしてサブミットします。ホスト側ファイル名の指定は不要です。