どうやって覚えればいいのか、何から始めればいいのか? -3-
ユーティリティーを覚える、と言っても実際には数が多くてどれを覚えればいいのか、どれから覚えればいいのか迷うかも知れません。実際の仕事で使うものから順次に覚えていくのが現実的ですが、基本中の基本ともいうものをあえて3つ上げてみます。
IEBCOPY
IEBCOPYは区分データセット間のコピー、区分データセットを順次データセットにアンロード(あるいはその逆)、区分データセットの圧縮などを行います。JCL、プログラム、パラメーターなどメインフレーム・システムでは多くのデータが区分データセットで管理されています。メンバーの作成や修正はISPFなどの対話型ツールなどが利用されますが、バッチで区分データセットを処理する場合の基本中の基本ユーティリティーです。
IDCAMS
VSAMやカタログに関するユーティリティー、というイメージが強いですが、VSAMではないデータセットの作成や改名、削除などもできる、データセットの統合ユーティリティーでもあります。アドミニストレーター、オペレーター、プログラマーなどどんな職種であっても必要とされる習得必須のユーティリティーです。
DFSORT
ソートが基本?と思われるかも知れませんが、レコードの並べ替えだけでなく、並べ替えずにコピーだけをすることもできます。レコードの特定のフィールドだけを抜き出したり、レコード形式を変更したり、データ編集やレコード変換の機能も持っており、それらの編集・変換機能はGENERよりはるかに強力です。VSAMと順次データセット間の相互コピーなどもできますし、さらにはレコードの集計など、プログラム的な機能も利用できます。データレコードの加工や集計はアプリケーションに限らず、システム管理用のデータファイルなどにも適用できますし、使い方を習得すれば応用範囲が拡がります。
順次データセットのコピー・ユーティリティーとして有名なIEBGENERの代わりによく使われるICEGENERは、DFSORTのサブセット版でもあります。