SDSF

By 神居 - Posted: 2011/08/10 Last updated: 2011/08/10 - Leave a Comment

SDSF:System Display and Search Facility:システム表示/検索機能

SDSFは、MVSとJES2をモニターし、管理し、制御するための情報を提供するz/OSのオプショナル・プロダクトです。位置づけはオプションですが、ほとんどのユーザーで導入され使用されています。製品の主な機能には次のようなものがあります。

多くのシステム状態の表示や操作の機能がありますが、全体に影響するような操作機能についてはアドミニストレーター権限やオペレーター権限のないユーザーでは実行できず、メニューパネルにも表示されません。一般のユーザーの場合、自分がサブミットしたジョブの状態表示やキャンセル、SYSOUT内容の表示やパージなどに限られ、他の人のジョブの中身を見たり、SYSLOGの表示などは認められません。

ISPFメニュー・パネルに組み込まれ画面分割などでISPFと切り替えながら操作することもできるので、ISPFの機能の一部と思われることもありますが、SDSFはISPFとは別のプロダクトです。ISPFにもジョブのSYSOUT表示を行うOUTLIST UTILITY(オプション3.8 )がありますが、ジョブ名が自分のユーザーIDで始まっていなければならない、SYSOUTクラスがホールドクラスでなければならない、終了したジョブでないと表示できない、などの制約もあり今ではほとんど使われていないようです。

ISPFのPDFがボリューム上のデータセットやメンバーに対する各種の操作を提供するデータセット管理やプログラム開発ツールであるのに対して、SDSFはシステムそのものの各種資源を操作するための対話型ツールとなります。SDSFが提供される前はこれらはMVSコマンドやJES2コマンドによってコンソールから操作するのが普通でした。またジョブのSYSOUTはISPFのOUTLISTユーティリティーでの表示かXWTRでデータセットへ書き出すかプリンターから印刷することでその中身を表示していました。そのためジョブのSYSOUTを自由に表示できるようなOUTLISTユーティリティーより機能が豊富で使い勝手のよいISV製品なども多くのユーザーでも使われていましたが、SDSFが提供されその機能が拡張・強化されるにつれてISV製品の優位性は薄れてしまいました。


ISPF配下でSDSFを使っているなら、自分なりにカスタマイズした内容はプロファイルに書き出されるので、一度設定すれば以降は自分好みのパネルで操作することもできます。例えばジョブの状態を表示し必要ならSYSOUT内容を表示したりするためのオールマイティなパネルの1つであるSTパネルがあります。横方向に各ジョブの属性や状態を示すフィールドがありますが、このフィールドの並び順を変更することができます。コマンド欄に ARRANGE MAX-RC A JOBID と入力すれば、ジョブの完了コードをジョブIDの直後に表示させることができ、完了コードを確認するためにパネルを横スクロールさせる必要はなくなります。また、ジョブの表示順も最新のジョブが上に表示された方が見やすい、という場合は、コマンド欄に SORT JOBID D と入力すれば、ジョブ番号の大きいもの(後から実行されたもの)が先頭に表示されるようになります。

SDSF STATUS DISPLAY ALL CLASSES                        LINE 1-2 (2)
COMMAND INPUT ===> ARRANGE MAX-RC A JOBID                     SCROLL ===> CSR
NP   JOBNAME  JobID    Owner    Prty Queue      C  Pos  SAff  ASys Status
     KAB34997 JOB00024 A0001       1 PRINT            7
     RKK8763J JOB00033 B0002       1 PRINT            4

     フィールドの並び順が変わる

SDSF STATUS DISPLAY ALL CLASSES                        LINE 1-2 (2)
COMMAND INPUT ===> SORT JOBID D                               SCROLL ===> CSR
NP   JOBNAME  JobID    Max-RC     Owner    Prty Queue      C  Pos  SAff  ASys
     KAB34997 JOB00024 CC 0008    A0001       1 PRINT            7
     RKK8763J JOB00033 CC 0000    B0002       1 PRINT            4

     ジョブの表示順が変わる

SDSF STATUS DISPLAY ALL CLASSES                        LINE 1-2 (2)
COMMAND INPUT ===>                                            SCROLL ===> CSR
NP   JOBNAME  JobID    Max-RC     Owner    Prty Queue      C  Pos  SAff  ASys
     RKK8763J JOB00033 CC 0000    B0002       1 PRINT            4
     KAB34997 JOB00024 CC 0008    A0001       1 PRINT            7

SDSFも毎日のオペレーションで使うツールであれば、こういうものかと思わずに自分なりに少しでも使いやすくなるよう工夫するのもいいでしょう。
関連するマニュアルには「SDSF ガイドおよび解説書(SC88-6224)」「システム表示/検索機能(SDSF)オペレーションおよびカスタマイズ(SA88-8610)」などがあります。また英文ですが、米国IBMのサイトにはSDSFの最新情報や使い方のTipsなどが記載されたWebページがあります。System Display and Search Facility

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