WTOR

By 神居 - Posted: 2011/09/22 Last updated: 2011/09/22 - Leave a Comment

WTOR:Write to Operator with Reply

WTORは、コンソールにオペレーターの応答を要するメッセージを書き出すMVSのAPIです。例えば、プログラムがエラーを検知したような場合に、処理を続行すべきなのかそれとも途中で止めて終了すべきなのか、といったことをオペレーターに問い合わせて、その応答に応じてプログラム側の動きを変えるような場合に使われます。
このようなメッセージはリプライ・メッセージとも呼ばれます。MVSではさまざまなリプライ・メッセージが出力されますが、例えば、ジョブを実行した際にデータセットが格納されているボリュームが利用できない場合に、「*nn IEF238D jobname – REPLY DEVICE NAME OR ‘CANCEL’.」というメッセージが出されます。これはMVSの割り振りルーチンが、指定されたボリュームが利用できない場合に、デバイスを取り付けてデータセットのアロケーション処理を続行するのか、それとも処理をキャンセルして止めてしまうのか、をオペレーターに問い掛けているわけです。
このようにエラー発生時の後処理方法に選択肢を設けるような場合などに、リプライ・メッセージはよく使われています。


WTOR機能はアプリケーション・プログラムで使用することもできます。ただしアセンブラー・マクロで提供されているため、COBOLなどのプログラムでは、アセンブラー・サブルーチンを作って、それを呼び出すなどの工夫が必要です。DISPLAY命令では表示するだけのメッセージをコンソールへ出力することはできますが、オペレーター応答を要求することはできません。
WTORマクロを使用したサンプル・プログラムは、オペレーター応答とコマンドを受け取る(WTORとQEDIT)のページを参照して下さい。


現在では、無人運用や24時間無停止運用なども増え、コンソールにオペレーターが常駐しないことが多くなっています。そのため、むやみにリプライ・メッセージを出力することはかえって運用の妨げになることにもつながるので、本当にオペレーターの応答が必要かを十分に考えた上でリプライ・メッセージを出力するようにします。リプライ・メッセージは、エラー発生時などに後処理の選択肢を増やし柔軟な運用を可能にするアプリケーションの設計に役立ちますが、オペレーターが応答しない限りジョブの実行は停止してしまいます。そのため、無人運用のシステムでは、リプライ・メッセージに自動応答するようなしくみが構築されたりします。

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