VTOCフォーマット②

By 神居 - Posted: 2012/06/21 Last updated: 2012/06/21 - Leave a Comment

VTOCフォーマット②

VTOCのDSCBレコードについては、歴史的な経緯もあり、MVS、MSP、VOS3の3つのOSでは基本的な部分で互換がある。しかしながら、インデックスVTOC(索引付きVTOC)については必ずしも互換とはいかない。3つのOSとも考え方においては同じであるが、具体的な実装となると異なってくる。


MSP

MVSとMSPではインデックスVTOCの索引データセットについては基本的な構造において互換となっている。索引データセットの名前の付け方も同じである。外部仕様(API)も内部構造も基本的にMVSと互換と言ってよいが、実際には1980年代後半の頃(MVS/XAからMVS/ESAの初期)のMVSのインデックスVTOCとの互換となっている。


VOS3

VOS3にもVTOC索引の機能がある。しかし同じなのは、DSCBの他に索引データセットを持ってデータセット毎のDSCBの位置やボリューム内の空きスペースの管理を行う、という考え方だけである。考え方が同じなので、索引データセットも似たような構成をもっているが、レコードの構造やフィールド名や意味まで同じようなことはない。また、APIにも互換はない。そもそもVOS3では索引付きVTOCとは呼ばずに論理VTOCという呼び方となり、呼び方からしてMVSとは異なる独自のものなのだ、と主張しているように思える。
VOS3もMSP同様にVTOC索引を使用するかどうかはユーザーの任意であるが、H-6588-9型ディスク装置を使用する場合は論理VTOCが必須となる。

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