TSOにログオンする
「TSOにログオンする」は、当初の予定では、「第1部 ISPF/SDSFリファレンス」、「第1章 ISPFを使ってみる」の「ISPFの基本的な使い方」内の「ISPFを起動する」の前に置かれるはずだった項目です。
TSOにログオンする
ISPFを使用するためにはまずTSOにログオンします。PC上で3270エミュレーターを起動して利用するz/OSシステムに接続します。エミュレーターをホスト・コンピューターに接続するにはTN3270接続やローカルSNA接続などがありますが、いずれの場合でも利用するセンターの所定の手順(*1)で行います。

端末がz/OSシステムに接続されると、どのアプリケーションを使用するかを指定するプロンプト画面が表示されます。上記の画面はTCP/IPによるTN3270接続の例です。接続方式によって表示される画面は異なります(*2)。紙面では、見やすくするため白地に黒色の文字で表現していますが、実際の3270エミュレーターの画面では黒背景に緑色や水色あるいは赤色文字で反転表示される場合がほとんどです(*3)。端末がz/OSシステムに接続できたらTSOセッションを開始するため、Application:フィールドに「TSO」と入力します。

TSOセッションが開始されると画面にはログオン・ユーザーIDの入力を促すプロンプトが表示されます。

このプロンプトに対してログオン・ユーザーIDを入力します。

ユーザーIDを入力するとTSO/Eログオン・パネルが表示されます。

ログオン・パネルにパスワードを入力することでTSOへのログオンが行われます。最初に実行するTSOコマンドやCLIST(*4)を指定することもできます。

入力したパスワードが検査されTSOへのログオンが完了すると、上記のようなメッセージが端末に表示されてコマンド入力待ちの状態になります。これはTSOのREADYプロンプトなどと呼ばれます。TSOにもデータセットの処理などを行うための様々なコマンドが提供されていますが、現在では一般のユーザーが直接TSOコマンドでz/OSシステムの操作を行うことはほとんどなくなりました。READYプロンプトが表示されたらISPF起動用のCLIST名を入力します(*5)。
*1 ネットワークの運用方法は企業によって異なるので具体的な手順はシステム管理者に確認する。
*2 ローカルSNA接続などVTAMに直接接続される場合は、VTAM側にカスタマイズ定義された画面が表示される。これはVTAMと端末間のコマンドとメッセージのやり取りを行うUSS(Un-formatted System Service:非定形式システム・サービス)と呼ばれる機能によって行われるもので、VTAM接続後に表示される画面はUSS画面などとも呼ばれる。
*3 黒背景に緑色文字が使用されるのは昔のIBM3270ディスプレイ装置のハードウェア仕様による伝統的な表示色に由来している。カラー表示可能な場合、文字色はテキストやフィールドの属性(入力可能、入力保護、強調表示など)を示している。エミュレーター画面の表示色は自由にカスタマイズできるので好みの色に変えることはできる。
*4 コマンドの実行順を定義したスクリプトのようなもの。複数のTSOコマンドなどを連続して実行したり反復して実行したりすることができる。
*5 ISPFの起動CLISTはセンターによって名称や内容が異なるためシステム管理者に確認する。