ジョブ・グループの定義とジョブ・グループの例-1
By 神居 - Posted: 2016/12/23 Last updated: 2018/04/02
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ジョブ・グループの定義(z/OS V2.2からのJES2の新たなジョブ・スケジューリング機能④)
JEC(JOB Execution Controls)によってグループ化したジョブを実行するには、JCLによってジョブ・グループを定義します。
ジョブ・グループ定義用に、JOBGROUP/ENDGROUP、GJOB、AFTER/BEFORE、JOBSET/ENDSET、SJOBといったステートメントが、z/OS V2R2より新たに追加されています。
//JOBGRP1 JOBGROUP ジョブ・グループの始まり //* //JOBA GJOB グループ内ジョブの定義 //* //JOBB GJOB グループ内ジョブの定義 // AFTER NAME=JOBA JOBA完了後に実行するジョブであることを示す //JOBC GJOB グループ内ジョブの定義 // AFTER NAME=JOBA JOBA完了後に実行するジョブであることを示す //* //JOBD GJOB グループ内ジョブの定義 // AFTER NAME=(JOBB,JOBC) JOBBとJOBC両方のジョブ完了後に //* 実行するジョブであることを示す //JOBGRP1 ENDGROUP ジョブ・グループの終わり //
グループに属するジョブ側のJCLには、SCHEDULEステートメントを追加します。既存ジョブのJCLの変更点としてはこれだけです。
//JOBA JOB (acct),CLASS=A,MSGCLASS=B // SCHEDULE JOBGROUP=JOBGRP1 //STEP1 EXEC PGM=PROG1 //OUTPUT DD DISP=(,CATLG),DSN=PROG1.OUTPUT,LIKE=PROG1.MODELDS //
※JCLのステートメントおよびパラメーターの具体的な詳細は、マニュアル「z/OS MVS JCL解説書」(SA88-7091-02以降のバージョン)を参照。
ジョブ・グループの例①

※図をクリックすると拡大できます。
シンプルなジョブ・グループの例です。従来のJES2では、先行するステップは1つずつ順番通りに実行される必要がありましたが、JECによってデータの依存関係にないステップをジョブ化することによって並行して実行できるようになり、最終ステップ(JOB-E)が完了するまでの時間が短縮されることが期待できます。
z/OSで処理されるジョブの多くは事務処理系のプログラムの実行ですから、たいていはI/Oバウンダリーです。並行して実行することでCPの遊休時間を減らし、システムをより効率良く運用させることにも繋がります。
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